特殊車両通行許可の申請や重量物搬入を行う際に、

「特車許可が不要な区間があるの?」
     「どんな車両なら使えるの?」
          「要件や条件はあるの?」

このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

👉 結論として、特車許可不要区間とは、一定条件を満たす場合に特車申請が不要となる制度です。

ただし、対象車両や条件が厳しく、活用できる場面が限定されている点に注意が必要です。

この記事では、特車許可不要区間の制度と実務での考え方をわかりやすく解説します。

■ 特車許可不要区間とは?

👉 特車許可不要区間とは、重要物流道路のうち、道路構造上問題がないと判断された区間で、特車許可が不要となる制度です。

制度の背景としては、

  • 「重要物流道路制度」が創設され、特別の構造基準が規定された
  • 海上コンテナ車が許可なく道路を通行できる環境が整いつつある
  • 国際海上コンテナ輸送の効率化
  • 特車申請の負担軽減

があります。

■ 対象となる車両

👉 国際海上コンテナ車(40ft背高)のみです。

上記以外のコンテナ車や、クレーン車、トレーラーなどは対象外となるので注意が必要です。

■ 一般的制限値の引き上げ

一般的制限値や重さ指定道路の制限値より大きい車両でも通行可能です。

  • 高さ:4.1m
  • 長さ:16.5m
  • 総重量:最大44t(条件あり)

詳しくは下記の表を参照してください

👉 一般的制限値についてはこちら

👉 指定道路についてはこちら

高速道路
指定道路
一般道路特車不要区間
総重量最大25t20t重要物流道路
(構造等に支障がない区間)
最大44t
軸重10t10t最大11.5t
輪荷重5t5t最大5.75t
高さ4.1m3.8m4.1m
長さ12m12m16.5m

👉 重量に関しては、車軸の数や軸距に応じた制限が細かく決められているため、事前に確認することが重要です。

■ 国際海上コンテナ車(40ft背高)の通行要件

許可不要で通るためには、以下が必要です。

① コンテナ輸送の証明書類

👉 例
・EIR(機器受渡証)
・運送指示書など(下記の内容が記載されているものに限られます)
   ① 輸入、輸出のための運搬であること
   ② コンテナの出発、到着場所と日時
   ③ 荷主名など
   ④ コンテナの寸法
   ⑤ 船積み、船揚げの予定港

② ETC2.0の搭載と登録

・ 業務支援用ETC2.0車載器が必須(一般のETCは不可)
・ さらに事前登録が必要(特車オンラインシステムから下記を登録)
    ① 車載器管理番号
    ② ASL-ID
    ③ 自動車登録番号

■ 注意点

以下の点については注意が必要です。

  • ① 全ての道路ではない 
           👉 重要物流道路の中でも指定された区間のみ
  • ② 対象車両は限定
           👉 コンテナ車のみ。クレーン車・トレーラーは対象外
  • ③ 条件付き通行になることがある
           ・交差点で折進禁止
           ・誘導措置あり
           ・橋梁や高架は原則、徐行・連行禁止
  • ④ 総重量・軸重・輪荷重の制限あり
           👉 総重量が最大44tまでOKでも軸重や軸距で制限あり

■ 特車許可不要区間の確認方法

主な確認方法は以下のとおりです。

■ ① 特車申請システムで確認

・ 経路入力時に確認可能
・ デジタル地図上で「凡例」を選択する
👉 ここで判断できます。

■ ② 道路情報便覧付図表示システムで確認

・ ソフトを起動させて確認可能
・ 地図左上の「凡例ウインドウの表示」をクリックする
👉 ここで判断できます。

■ ③ 重さ高さ指定道路の状況(名称一部省略)

大型車誘導区間の指定道路及び重さ・高さ指定道路の状況を起動させて確認可能
・ 画面下の「凡例」で確認する
👉 ここで判断できます。

■ 特車申請との関係

ここが重要なポイントです。

👉 特車許可不要区間であっても、必ずしも特車申請が不要になったりするわけではありません。

例えば、

  • 重量や寸法が制限値の基準を超える場合
  • その他の道路を通行する場合
  • 未収録道路がある場合
  • 個別協議が発生する場合

👉 これらの場合などは、特車申請が必要になる場合があるので注意が必要です。

経路の一部でも対象外の経路や引き上げられた制限値を超える場合は、特車申請が必要です。

👉 未収録道路についてはこちら

👉 個別協議についてはこちら

■ 実務での確認手順

以下の流れで確認すると判断しやすくなります。

  1. 積み荷などの重量や大きさを確認する
  2. 車両の積み荷を積載した状態で、総重量や高さを算定する
  3. 通行予定経路を確認
  4. 道路区分を確認
  5. 車両条件と照らし合わせる
  6. 必要に応じて特車申請を検討

👉 この流れでおおよその判断ミスを防げます。

■ 実務でよくある勘違い

現場では、以下のような誤解が多く見られます。

  • 総重量が44tまでなら大丈夫
  • その他のトレーラーなども利用できる
  • 特車不要区間なら自由に通れる

👉 どれも正確にいうと誤りです。

👉 制度の制限値や車両条件を事前に確認しておくことが重要です。

■ 実務でよくあるトラブル

  • 許可不要と思って通行してしまう(無許可通行)
  • 経路選定を誤る
  • 条件を確認していない(条件違反)

👉 判断ミスが違反につながるケースがあります。

👉 違反についてはこちら

■ よくある質問

Q. 40ft背高コンテナを積載しない状態(空荷)でも利用できますか?

はい、条件を満たせば可能です。

Q. 許可不要区間なら申請は不要ですか?

車両条件や通行要件を満たす場合に限り不要です。
特車不要区間の制度を活用できる場合は限定的なので、注意が必要です。

Q. 特車許可不要区間は誰でも使えますか?

👉 誰でもは使えません。
対象は40ft背高コンテナ車のみです。

■ まとめ

特車許可不要区間とは、一定条件を満たす、国際海上コンテナ車(40ft背高)の場合に限り、特車申請が不要となる制度です。

特に重要なポイントは以下のとおりです。

  • 条件を満たせば申請不要
  • ただし対象はかなり限定的
  • 実務では経路全体で判断が重要
  • 特車申請が必要な場合もある

👉 制度と車両条件をセットで考えることが重要です。

■ こんな方はご相談ください

  • どの道路を使うべきか分からない
  • 特車が必要か判断できない
  • 経路選定に不安がある
  • 特車申請を一式依頼したい

👉 初めての方でも、状況をお伺いしたうえで「最適な経路」からご案内いたします。

当事務所では、特車申請から経路設計まで対応しております。
まずはお気軽にご相談ください。