大型車誘導区間とは?制度の目的・メリット・特車との関係を解説

特殊車両通行許可の申請や重量物搬入を行う際に、
- 「大型車誘導区間とは?」
- 「大型車は通行義務があるの?」
- 「特車許可は必要?不要?」
このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
👉 結論として、大型車誘導区間とは、大型車が通るべき経路として指定された道路です。
この記事では、大型車誘導区間の制度の背景やと実務での考え方をわかりやすく解説します。
■ 大型車誘導区間とは?
👉 大型車誘導区間とは、国土交通大臣が指定する「大型車が通るべき経路」です。
これは平成25年の道路法の改正により創設された制度で、大型車を特定のルートに誘導することができる仕組みです。
■ 制度の背景
この制度ができた理由はかなり重要です。
① 道路の老朽化
法改正当時、今後は橋の多くが築50年以上になる見込みであること
② 物流の効率化・円滑化
貨物輸送の多くが自動車で占められており、貨物車交通の効率化・円滑化を図ることが重要であること
③ 違反車両の影響が大きい
無許可通行や条件違反の車両が重大事故を引き起こすおそれがあり、改善が必要であること
👉 つまり、大型車の通行をコントロールしないと道路がもたないということです
■ 制度の目的
👉 制度の目的には下記のようなものがあります。
- 大型車を望ましい経路へ誘導
- 道路の保全
- 安全で円滑な交通の確保
■ 対象となる道路
大型車誘導区間は、
- 直轄国道
- 主要幹線道路
- 港湾・空港アクセス道路
👉 こういった道路を中心に設定されています。
また、高速道路や直轄国道の一部の区間は除外される場合もあります
■ メリット
主なメリットは以下のようなものがあります。
① 迅速な審査の対象
- 👉 申請書類に不備がない場合は迅速に処理される(オンライン申請のみ)
- 👉 申請から許可取得まで、およそ3日程度
② 手数料の変更(国への申請のみ)
- 👉 通常、1台1経路200円ですが、160円と安くなります
ただし、これは大型車誘導区間のみを通行する場合に限られていますので注意が必要です。
■ 対象車両の許可基準
対象車両の許可基準 車両諸元 新規格車 新規格車以外 単車 連結車 単車 連結車 追加
3車種特例
5車種セミトレーラ連結車(海上コンテナ車を含む) フルトレーラ連結車 ダブルス 特例5車種・追加3車種 その他 幅 2.5m以下 高さ 3.8m以下 4.1m以下 長さ 12m以下 17m以下 ※ 19m以下 21m以下 最小回転半径 12m以下 総重量 25t以下 26t以下 39t以下 44t以下 軸重 10t以下 11.5t以下 10t以下 隣接荷重 隣り合う車軸係る軸距が1.8m未満の場合は18t以下、1.8m以上の場合は20t以下 (隣り合う車軸係る軸距が1.3m以上で、当該隣り合う車軸に係る軸重がいずれも9.5t以下の場合は19t以下) 輪荷重 5t以下 5.75t以下 5t以下
(※)
ⅰ)被けん引車の後軸の旋回中心から車体の後面までの長さが3.8メートル以上4.2メートル以下の車両にあっては18メートル、3.2メートル以上3.8メートル未満の車両にあっては17.5メートル。
ⅱ)貨物を被けん引車の車体の後方にはみ出して積載する場合にあっては、被けん引車の後軸の旋回中心から当該貨物の後端までの長さが3.8メートル以上4.2メートル以下の車両又は2.4メートル以上3.8メートル未満の自動車運搬用セミトレーラ連結車にあっては18メートル、3.2メートル以上3.8メートル未満の車両(自動車運搬用セミトレーラ連結車を除く。)又は1.9メートル以上2.4メートル未満の自動車運搬用セミトレーラ連結車にあっては17.5メートル。
ただし、自動車運搬用セミトレーラ連結車にあっては1.0mを超えて貨物をはみ出して積載することはできない。
(引用 『ETC2.0 装着車への特殊車両通行許可簡素化制度』実施要綱 国土交通省)
■ 特車申請との関係
ここが重要なポイントです。
👉 大型車誘導区間が経路に含まれている場合であっても、迅速に許可がおりるわけではありません。
例えば、
- 重量や寸法が許可基準を超える場合
- その他の道路を通行する場合
- 経路に未収録道路がある場合
- 個別協議が発生する場合
これらの場合などは、許可までの時間がかかる場合があるので注意が必要です。
大型車誘導区間は、そもそも一般的制限値の引き上げ措置はありません。
👉 特車申請において、迅速な審査の対象となったり、手数料が割安となる優遇措置があるだけです。
👉 未収録道路についてはこちら
👉 個別協議についてはこちら
👉 一般的制限値についてはこちら
■ 大型車誘導区間の確認方法
主な確認方法は以下のとおりです。
■ ① 特車申請システムで確認
- 経路入力時に確認可能
- デジタル地図上で「凡例」を選択する
上記の手順で判断できます。
■ ② 道路情報便覧付図表示システムで確認
- ソフトを起動させて確認可能
- 地図左上の「凡例ウインドウの表示」をクリックする
上記の手順で判断できます。
■ ③ 重さ高さ指定道路の状況(名称一部省略)で確認
- 「重さ高さ指定道路の状況」を起動させて確認可能
- 画面下の「凡例」で確認する
上記の手順で判断できます。
👉 「重さ高さ指定道路の状況」はこちら(リンク:国道交通省関東
■ 実務でよくある勘違い
現場では、以下のような誤解が多く見られます。
- 大型車誘導区間なら特車申請が不要
- 大型車誘導区間なら自由に通れる
👉 どれも誤りであり、大型車誘導区間の制度は、そもそも一般的制限値を引き上げる措置はありません。
特車申請において、迅速な審査の対象となったり、手数料が割安となる優遇措置があるだけです。
■ 実務でよくあるトラブル
- 許可不要と思って通行してしまう(無許可通行)
- 経路選定を誤る
- 条件を確認していない(条件違反)
👉 判断ミスが違反につながるケースがあります。
👉 違反についてはこちら
■ よくある質問
Q. 大型車誘導区間は通らないと違反になりますか?
違反ではありませんし、必ず通らなければならないわけでもありません。
安全性や交通への配慮の観点から推奨されるルートです。
特に市街地では、誘導区間を利用した方がトラブルを避けやすくなります。
Q. 大型車誘導区間は使うべきですか?
必ず使わなければいけないわけではありません。
あくまでも推奨ルートです。
Q. 特車申請は不要ですか?
一般的制限値を超える場合は特車申請が必要です。
また、大型車誘導区間については、制限値の引き上げ措置はありません。
■ まとめ
大型車誘導区間とは、大型車が通るべき経路として指定された推奨道路です。
特に重要なポイントは以下のとおりです。
- 通行ルートの最適化制度
- 許可条件付きで運用される
- 迅速な審査、手数料が割安になる(全ての経路が大型車誘導区間のみの場合)
■ お問い合わせ
- どの道路を使うべきか分からない
- 特車が必要か判断できない
- 経路選定に不安がある
- 特車申請を一式依頼したい
👉 上記のような場合でも、状況をお伺いしたうえで「最適な経路」からご案内いたします。
当事務所では、特車申請から経路設計まで幅広く対応しております。
まずはお気軽にご相談ください。
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