駐車許可とは?要件・判断基準をわかりやすく解説

駐車許可とは?要件・判断基準をわかりやすく解説

引っ越しや資材搬入、店舗への納品などで、

  • 「駐車禁止場所でも停めないと作業できない」
  • 「駐車許可って何?」
  • 「どんな場合なら許可されるのか知りたい」

と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。

👉 結論からいうと、駐車許可とは、駐車禁止場所であっても一定の条件を満たす場合に例外的に駐車が認められる制度です。

ただし、誰でも取れるものではなく、要件を満たすかどうかに加え、個別の事情を踏まえて総合的に判断されます。

この記事では、駐車許可の仕組みや要件を分かりやすく解説します。

■ 駐車許可とは?

👉 駐車許可とは、駐車禁止場所であっても、業務上の必要性などの事情があり、交通への影響よりもその必要性が上回る場合に認められる制度です。

単に「必要だから許可される」のではなく、「駐車の必要性」と「交通への影響」を比較して判断されます。(比較衡量)

👉 必要性が上回る場合には、警察署長が許可を行います。

■ 駐車と停車の違い

駐車許可を理解するうえで、まず定義を押さえておく必要があります。

■ 駐車とは

👉 駐車とは、道路交通法上、次のいずれかに該当する状態をいいます。

  • 車両が客待ち・荷待ち・貨物の積卸し・故障などの理由により継続的に停止すること
  • 貨物の積卸しであっても、5分を超えて停止する場合
  • 車両が停止し、運転者がその場を離れて直ちに運転できない状態

👉 つまり、「その場にとどまり続ける状態」や「車両をすぐ動かせない状態」が駐車です。

■ 停車とは

👉 停車とは、駐車に該当しない一時的な停止をいいます。

例えば、

  • 人の乗降のための停止
  • 貨物の積卸しで5分以内に終わるもの
  • 運転者が車両を離れず、すぐに発進できる状態

👉 つまり、短時間でその場を占有し続けない停止が停車です。

■ 駐車許可が使える場所・使えない場所

👉 駐車許可は、すべての駐車禁止場所で使えるわけではありません。

  • 45条の駐車禁止場所
     ➡ 駐車許可の対象になる場合があります
  • 44条の駐停車禁止場所
     ➡ 原則として、駐車許可の対象外です

■ 駐停車禁止(44条)

以下の場所では、停車・駐車ともに原則禁止されています。

  • 交差点およびその付近(5メートル以内)
  • 横断歩道・自転車横断帯付近(5メートル以内)
  • 踏切や安全帯付近(10メートル以内)
  • 道路の曲がり角付近(5メートル以内)
  • 運行時間中の路面バスなどの停留所付近(10メートル以内)
  • トンネル内
  • 坂の頂上や急勾配の坂

👉 これらは交通の安全確保のため、厳しく規制されています。

■ 駐車禁止(45条)

以下の場所では、駐車のみが禁止されています。

  • 駐車禁止標識のある場所
  • 駐車場や建物の車両出入口付近(3メートル以内)
  • 工事区域付近(5メートル以内)
  • 消火栓・消防設備付近(5メートル以内)
  • 火災報知器(1メートル以内)

■ 駐車許可の基本的な考え方

👉 駐車許可は、申請すれば一律に認められるものではなく、駐車の日時・場所・目的などの事情を踏まえて、個別に審査・判断される制度です。

そのため、

  • 同じ内容でも場所によって結果が違う
  • 許可の対象は特定の作業内容などに限定されない
  • 引っ越しや店舗納品、訪問診療に使用する車両も許可対象になる

👉 こういった特徴があります。

■ 駐車許可の要件

駐車許可は、主に以下の4つの要件で判断されます。

① 駐車する日時

👉 以下を満たす必要があります。

  • 交通に危険を生じない時間帯であること
  • 交通を著しく阻害しない時間帯であること
  • 作業などの目的を達成するために必要な時間の範囲内であること

👉 例えば

  • 通勤ラッシュ
  • 登下校時間帯

👉 これらの時間帯が含まれる場合は、その時間帯を除いた条件で許可されることが一般的です。

② 駐車する場所

駐車する場所については、以下のことを満たす必要があります。

  • 駐車禁止規制のみが行われている場所であること(道路交通法45条に該当する場所)
  • 交通に危険を生じ、又は著しく阻害するおそれがない場所であること

👉 また、実務上は以下の要素も踏まえて総合的に判断されます。

  • 交通量
  • 車線数や道路構造
  • 事故の発生状況
  • 通学路・バス路線の有無

👉 これらも総合的に判断されます。

③ 駐車に係る用務

👉 駐車許可の判断において、特に重要なポイントです。

  • 他の手段では達成が困難
  • 短時間の停車では対応できない
  • 道路使用行為を伴わない

👉 つまり、他の手段や短時間の停車では対応できず、かつ道路使用行為にも該当しない場合に、駐車の必要性が認められます。

④ 駐車場所の確保状況

👉 原則として、100m以内に駐車場がない、または利用が困難であることが求められます。

■ 利用困難とされる例

  • 車両サイズが駐車枠に収まらない
  • 重量制限により利用できない
  • 混雑により空きがないことが予想される

👉 このような場合には、駐車場が存在していても、駐車許可の対象となる可能性があります。

■ 駐車許可の対象となる業務

👉 駐車許可は特定の業務に限定されません

例えば

  • 引っ越し
  • 資材搬入
  • 店舗納品
  • 訪問診療
  • 訪問介護

👉 これらはすべて対象となり得ます。

■ 許可されないケース

👉 以下の場合は、許可が認められない、または認められにくいケースです。

  • 交通量が多く、安全確保が困難な場合
  • 事故リスクが高い場所
  • 近くに利用可能な駐車場がある場合
  • 短時間の停車で対応可能な場合

👉 また、交差点や横断歩道付近などの駐停車禁止場所(44条)では、駐車許可の対象外となり、原則として駐車することはできません。

■ 道路使用許可との違い

👉 判断のポイントは、車両を「運搬のために使っているか」「作業のために使っているか」です。

■ 駐車許可

👉 車両を運搬手段として使用している状態

  • 荷物の積み下ろし
  • 人の乗降
  • 必要に応じてすぐ移動できる

👉 上記のような場合が該当します。

■ 道路使用許可

👉 車両を作業のための設備や用具として使用している状態

  • クレーンでの作業
  • レントゲン車での検査
  • 作業のために一定時間その場に停止する

👉 作業のために車両をすぐに動かせない状態で使用するケースです。

👉 道路使用許可についてはこちら

■ 注意点

👉 駐車許可を受けた場合でも、どこでも自由に駐車できるわけではありません。

例えば、車両の右側に3.5m以上の通行スペースが確保できない状態となる場所では、原則として駐車することはできません。

ただし、

  • 運転者が車両を離れずに荷物の積み下ろしを行う場合
  • やむを得ない事情がある場合

このような場合は例外的に認められることがあります。

また、地域によって取扱いが異なる場合もあるため、事前に管轄警察署へ確認することが重要です。

■ よくある質問

Q. 引っ越しでも駐車許可は必要ですか?

👉 駐車禁止場所で長時間停車する場合は、駐車許可が必要になる可能性があります。
ただし、短時間の積み下ろしであれば停車扱いとなり、許可が不要な場合もあります。

Q. 店舗への納品でも駐車許可は取れますか?

👉 はい、可能です。
貨物の集配や納品業務も対象となり得ますが、他の手段で対応できない場合など、要件を満たす必要があります。

Q. 駐車許可は必ず取れますか?

👉 いいえ。
要件を満たさない場合や、交通への影響が大きいと判断される場合は許可されない可能性もあります。

Q. 短時間なら駐車許可はいらないですか?

👉 5分以内の荷物の積み下ろしなどであれば、停車扱いとなり許可が不要な場合があります。
ただし、状況によって判断されるため注意が必要です。

Q. 道路使用許可との違いは何ですか?

👉 車両を運搬手段として使う場合は駐車許可、作業のための設備として使う場合は道路使用許可となるのが一般的です。

■ まとめ

👉 駐車許可とは、駐車の必要性と交通への影響を比較したうえで認められる制度です。

判断のポイントは以下の4つです。

  • 駐車する時間
  • 駐車する場所
  • 駐車が必要となる理由
  • 駐車場の有無

👉 これらを総合的に判断して許可の可否が決まります。

👉 また、45条(駐車禁止)のみが対象で、 44条(駐停車禁止)は対象外となるため注意が必要です。

■ お問い合わせ

  • 「このケースは駐車許可で対応できる?」
  • 「道路使用許可が必要か判断が難しい」
  • 「確実に許可を取りたい」
  • 「違反にならないか不安」

このようなお悩みは多くいただきます。

駐車許可は、現場の状況によって判断が変わる手続きであり、同じ内容でも許可の可否が変わることも珍しくありません。

そのため、

  • 判断を誤ってしまう
  • 不要な申請をしてしまう
  • 逆に必要な許可を取らずに違反となる

👉 このようなトラブルにつながるケースもあります。

当事務所では、現場経験をもとに、「駐車許可で対応できるのか」「道路使用許可が必要か」を含めて最適な判断と申請サポートを行っております。

「まずは判断だけ知りたい」というご相談も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

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